半導体 トランジスタ MOSFET ディレーティングの考え方と方法
半導体のディレーティングが気になりました。
ICの場合はデータシートをみれば比較的わかりやすいのですが、ディスクリートで回路を構成する場合、素子ごとのディレーティングを考慮することが製品の信頼性や寿命に直結すると考えたからです。
ディレーティングの考え方 | 東芝 セミコンダクター&ストレージ社
上二つのリンクが非常に参考になりました。
・半導体の故障
1.特性が変動してしまう
2.メタル配線故障(内部ボンディング)
3.メタル配線故障(内部アルミニウム腐食)
4.繰り返し熱応力による故障
・ディレーティングの一例
温度: Tj = Tj MAXの80%以下
* 間欠使用 (1日3時間程度) で約10年間の使用を想定
Tj = Tj MAXの50%以下
* 高信頼性用途、昼夜稼動で約10年間の使用を想定
※ Tj規定以外の製品は個別技術資料の内容 (Ta, Tch等) に置き換えてください。- 電圧: 絶対最大定格の80%以下 (IC製品は動作範囲に従うこと)
- 電流: 平均電流 絶対最大定格の80%以下 (整流素子は絶対最大定格の50%以下)
- せん頭電流 絶対最大定格の80%以下
- 電力: 許容最大損失の50%以下
データシートの安全動作領域(SOA)を確認する。
動作時の素子温度=周辺温度と考える
・SOA制限領域
(周辺温度-25度)×0.8=ディレーティング(%)
・SOA2次降伏領域
(周辺温度-25度)×0.5=ディレーティング(%)
SOAラインをy軸方向にディレーティング(%)分下げ、SOAを狭める。
MOSFETの場合は
(周辺温度-25度)×0.8=ディレーティング(%)
実際はケミコンの寿命が圧倒的に短いので、定格の8割ぐらいでいいんじゃないと考えてもよさそうですが、ケミコンは代替え品があっても、トランジスタは無い場合もありそうです。